高齢者福祉コラム

2024.06.27

奈良市の要支援者向けへの訪問サービスの介護報酬が改定されました

厚生労働省告示に基づき、奈良市では令和6年4月1日から要支援者への第1号事業(訪問・通所)の介護報酬が改定されました。

特に介護予防訪問介護相当サービスにおいては大きな改定となっています。

※別紙「奈良市介護予防・生活支援サービス事業 訪問型サービスの単位数について」参照

主な改定内容

①従来の回数単位での請求における3つの支給区分が「標準的な内容のサービスである場合」に1本化

②回数単位の請求において「生活援助が中心である場合」の2区分が新設(20~45分未満、45分以上)

③従来の月額包括報酬における3つの区分が3,727単位に1本化

④従来奈良市において実施のなかった「短時間の身体介護が中心である場合」の区分の新設

 

この中で特に注目したいのが、②及び④です。

従来の要支援者への訪問介護相当サービスでの支援は生活支援だけでした。

今回その支援内容が「身体介護中心型」と「生活援助中心型」に分けられました。

 

奈良市では「身体介護中心型」支援を「標準的な内容のサービス」とし、

入浴介助や食事介助といった、いわゆる利用者の身体に直接接触して行う介助だけでなく、

利用者のADL※注1・IADL※注2・QOL(生活の質)や意欲の向上のために利用者と共に行う

自立支援・重度化防止のためのサービスを含んだ、「身体介護を中心としたサービス」としています。

 

 注1 ADL:日常生活を送るために最低限必要な日常的な動作で、

    「起居動作・移乗・移動・食事・更衣・排泄・入浴・整容」動作のことです。

 注2 IADL:ADLは日常生活の「基本的な動作」であるのに対し、IADLはADLよりも複雑な動作と判断が求められる

    「応用的な動作」のことです。例えば「買い物」や「乗り物(公共交通機関等)の使用」など。

要支援とは?

そもそも要支援とは、

 「日常生活上の基本的動作については、ほぼ自分で行うことが可能であるが、日常生活動作の介助や現在の状態の悪化の防止により

 要介護状態となることの予防に資するよう手段的日常生活動作について何らかの支援を要する状態のこと」を言います。

 

要介護者への支援とは異なり、要支援者への支援は「できることは自身で行って頂き、できないことをヘルパーで補う」という

ことが基本的な視点であり、これは以前から変わりません。

今回の改定において、要支援の利用者へ必要な「自立支援・重度化防止のためのサービス」を

奈良市が改めて重視するようになったと言えるのではないでしょうか。

福寿会では

我々福寿会では、今回の改定内容をヘルパー全員へ周知し、その意図を共有するようにしております。

引き続き要支援者へのサービスの提供にあたってはケアプランに基づき、

できることは自身で行って頂き、できないことを補うといった

自立支援・重度化防止の視点を持って提供させて頂きたいと思います。

 

※参考資料 「奈良市介護予防・日常生活支援総合事業における第1号事業(訪問・通所)の介護報酬等の改定について(通知)」

関連リンク

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