高齢者福祉コラム
2024.04.16
奈良の老人福祉計画・介護保険事業計画について
【かんたん】老人福祉計画ってなに?介護保険事業計画とは??
奈良市から2024年4月5日に「奈良市老人福祉計画及び第9期介護保険事業計画」が発表されました。
奈良県からは2024年3月28に「奈良県 高齢者福祉計画・第9期介護保険事業支援計画・認知症対策推進計画」が発表されています。
<奈良市&奈良県のHPリンク>
奈良市老人福祉計画及び第9期介護保険事業計画 - 奈良市ホームページ (nara.lg.jp)
高齢者施策に関する計画/奈良県公式ホームページ (pref.nara.jp)
これらは、今後の奈良の高齢者福祉にとって、とても重要な計画なんです。
老人福祉計画とはなにか? 介護保険事業計画はなになのか?? 簡単に解説していきます。
老人福祉計画と介護保険事業計画の違いは
各計画を見てみると、いくつかの計画が一体的に策定されています。
市町村では以下2つを一体的に策定するのが一般的です。
・老人福祉計画
・介護保険事業計画
都道府県では以下3つを、一体的に策定することが多いようです。
・老人福祉計画
・介護保険事業支援計画
・認知症対策推進計画
今回は、『老人福祉計画』と『介護保険事業計画(and 介護保険事業支援計画)』についてみていきます。
老人福祉計画とは
計画策定の根拠として、老人福祉法に以下が定められています。
”市町村は、老人福祉事業の供給体制の確保に関する計画を定めるものとする。”
”都道府県は、市町村老人福祉計画の達成に資するため、各市町村を通ずる広域的な見地から、老人福祉事業の供給体制の確保に関する計画を定めるものとする。”
つまり、高齢者向けの福祉サービスや施設整備に加え、高齢者の健康促進・社会参画の促進、高齢者虐待や孤独死などの課題への対策を含めた、総合的な施策が老人福祉計画です。
ちなみに、都道府県の計画には、市町村の支援も含まれています。
介護保険事業計画とは
計画策定の根拠として、介護保険法に以下が定められています。
”市町村は、基本指針に即して、三年を一期とする当該市町村が行う介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施に関する計画を定めるものとする。”
”都道府県は、基本指針に即して、三年を一期とする介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施の支援に関する計画を定めるものとする。”
つまり、要介護者が安心して生活できるように、介護サービスの提供や施設整備、介護保険制度の運営、介護技術の発展等を課題とした施策が介護保険事業計画です。
ちなみに、市町村が事業計画である一方で、都道府県は「介護保険事業支援計画」という名称で支援計画になります。
老人福祉計画と介護保険事業計画を一体的に策定する理由
老人福祉計画は「高齢者の生活全般」を対象とし、
介護保険事業計画は「介護サービス全般」を対象としています。
これらの計画を一体で策定することで、高齢者の生活全般にわたる福祉や介護のニーズを網羅的に把握して、より効果的な施策展開が可能となるのです。
まとめ
2024年に奈良市、奈良県から第9期計画が発表されています。
予算の執行や、施設の整備はこの計画に沿って検討されていきます。
そのため、奈良の高齢者福祉にとって、とても大事な計画なんです。
地域の発展に向けて、皆様にも関心を持っていただけると幸いです。